SOLIZE株式会社

3Dプリント試作品製作

過酷なレース走行に耐えうるインテークマニホールドを
ガラス入りナイロン材を用いて3Dプリンターで製作

大学・教育機関 大阪大学フォーミュラレーシングクラブ 

大阪大学フォーミュラレーシングクラブ©Osaka-univ.FormulaRAcingClub.

大阪大学フォーミュラレーシングクラブ

インタビュー

大阪府
http://ofrac.net/
大阪大学
OFRAC渉外担当兼パワートレイン班 鈴木 修平さん

Osaka-univ. Formula RAcing Club (OFRAC) とは

「OFRAC(大阪大学フォーミュラレーシングクラブ)は自動車技術会主催の 「全日本学生フォーミュラ大会」(毎年夏開催。今年は第16回)に出場すべく、車両の設計・材料の発注・加工・溶接・組み立てを自分たちで行っています。机の上の勉強だけではなく、実際に見て触って考えて「ものづくり」の楽しさや難しさを日々実感しています。
また、さまざまな企業スポンサー様、個人スポンサー様にも協力していただいていることもあり、一つひとつの作業に責任や充実感もあります。」(OFRACウェブサイトより)

この度SOLIZEは、3Dプリンターでのインテークマニホールド製作で協力。その過程をお伝えします。
今回は、OFRAC渉外担当兼パワートレイン班の鈴木 修平さんにお話しを伺いました。

Osaka-univ. Formula RAcing Club (OFRAC)

全日本学生フォーミュラ大会とは

全日本学生フォーミュラ大会とは©Osaka-univ.FormulaRAcingClub.

日本・海外の各大学の学生が、チームを組んで企画・設計・製作したフォーミュラスタイルの小型レーシングカーで競う大会です。大会では車の走行性能だけでなく、車両コンセプト・設計・コスト審査など、ものづくりの総合力を競います。

趣旨:「主役である学生が自ら構想・設計・製作した車両により、ものづくりの総合力を競い、産学官民で支援して、自動車技術ならびに産業の発展・振興に資する人材を育成する。」(全日本学生フォーミュラ大会公式サイトより)

全日本学生フォーミュラ大会

今回ご依頼いただいた部品は、マシンのどの部分に使われますか

今回ご依頼いただいた部品は、マシンのどの部分に使われますか

今回依頼したパーツは、吸気部品「インテークマニホールド」です。

エアクリーナーを通過し、サージタンクへと溜められた吸気をエンジンの各気筒内へと入れる重要なパーツになります。長さや形、表面状態によって、エンジンの出力はかなり変わってきます。

材料は、インテークマニホールドなどの試作で1,000台以上の製作実績がある、ガラス入りナイロンDuraForm® GFで製作しました。

3Dプリンターで製作した理由は

3Dプリンターで製作した理由は

例年弊チームでは、アルミニウムパイプを溶接をすることで、インテークマニホールドを製作していました。しかし、エンジンの吸気の入口はきれいな円ではなく、少し複雑な形状をしています。

そのため、インテークマニホールドとエンジンの境目で段差が生まれます。
エアクリーナーから入ってきた吸気は、インテークマニホールドを通り、エンジンの燃焼室まで運ばれるのですが、 その途中の段差によって、流れは乱れ、一回の燃焼における吸気の量が減少してしまいます。

学生フォーミュラは、レギュレーションによって、吸気系にエアリストリクターの取り付けが定められているので、 エアリストリクターを通過したあとの損失をどれほど小さくできるかということがは、吸気設計において重要になります。

全回転数域でエンジンの出力向上を考えたとき、損失が生まれうるすべての要因を排除することとし、アルミパイプでは実現不可能な形状でも製作することができる、3Dプリンターを考えました。

SOLIZEに依頼した経緯は

SOLIZEに依頼した経緯は

弊チームは、数年前にもインテークマニホールドを、3Dプリンターで製作をしたことがあります。

しかしそのパーツは、度重なる走行練習によって、エンジンへ取り付けるフランジ部分にヒビが入ってしまい、 大会当日に搭載されることはありませんでした。

その原因として挙げられたのは、
・フランジ部分が応力集中しやすい形状であった
・積層が荒い
この2点です。

よって、数ある3Dプリンター関係の企業から、粉末造形表面コーティング等の二次処理の施工といった、 幅広くかつ高い製造技術をもつSOLIZE株式会社に依頼することにしました。

3Dプリント部品製作事例はこちら

プロジェクト進捗状況

プロジェクト進捗状況

2018年4月10日
SOLIZE製品を用いた18年度仕様吸気システム初搭載。
インテークマニホールドからエンジン本体への段差を極限まで無くすことで出力向上を狙います。

2018年4月14日
今年度のエンジン初始動を終えて学外でのシェイクダウン。無事に車両が走り出しました。
また、エラーを洗い出しましたが、SOLIZE製品には何一つ問題ありませんでした。

今後、エラーをすべて改善し走行会を重ね、データを集めたいと思います。
また、シャシーダイナモによる出力計測を行う予定です。

がんばれ!OFRAC!

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