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燃料電池・シミュレーションプラットフォーム
燃料電池システム全体をカバーするシミュレーションプラットフォーム
SOLIZEはSHERPA Engineering社(フランス)とのパートナーシップにより、燃料電池・シミュレーションプラットフォームおよび燃料電池・シミュレーションサービスを提供しています。
燃料電池・シミュレーションプラットフォームは、制御ロジックを含む燃料電池システム全体をカバーするシミュレーションプラットフォームです。このプラットフォームには以下のサブシステムが含まれています。
- エアサブシステム : 要求された圧力、流量、温度、湿度の空気を供給します。
- 水素サブシステム : 要求された圧力と流量の水素を供給します。
- 冷却サブシステム : 燃料電池スタックの十分な冷却と、スタック間での温度勾配を保証します。
- 制御サブシステム : 基本的な制御法則、診断、モニタリングやシステムスーパーバイザーを含みます。
燃料電池システムライブラリ
燃料電池・シミュレーションプラットフォームは、SHERPA Engineeringが開発した燃料電池システムライブラリに基づいています。このライブラリはSimulink®のモデリングとシミュレーション機能を燃料電池システムに対して拡張したものです。燃料電池システムライブラリ中のモデルは、燃料電池スタックやエアコンプレッサ、水素エジェクタやバルブといったコンポーネントを含んでいます。このライブラリには、カスタムコンポーネント開発のための熱流体コンポーネントと構築用ブロックの代表的なセットが用意されています。燃料電池システムライブラリは、制御システムに適した非線形動的モデルを提供します。
燃料電池分野におけるSHERPA Engineeringの取り組み
燃料電池システム « GENEPAC 20 » (PSA, CEA)
FISYPAC(Fiabilisation Système Pile A Combustible)は、フランス国立研究機構(ANR:Agence Nationale de la Recherche)によって設立された、燃料電池自動車のための燃料電池システムの開発とテストを行うためのフランスの国家研究プロジェクトです。
このFISYPACにおいて、SHERPA Engineeringは制御システムと診断システムの設計と検証ならびにシステム全体のエネルギー管理戦略を担当しました。
このプロジェクトで開発された水素燃料電池は20kWの電力生成能力を持ち、走行距離350kmと最高速度130km/hを実現します。
この車両の燃料電池システムは、700気圧水素ストレージシステムを備えた上記の燃料電池と13kWのリチウムイオンバッテリーという、2つのエネルギー源が搭載されており、レンジエクステンダーのように機能します。
燃料電池に関する提供サービス
SOLIZEはSHERPA Engineeringとともに、燃料電池に関する以下の活動を支援します。
アーキテクチャ設計
SHERPA Engineeringはアーキテクチャデザインとアクチュエータ(エアコンプレッサ、ラジエータ、バルブ、その他)の選択に強く関与してきました。私たちはj-Graphの方法論に基づき、システムの動的な環境モデルを用いてコンポーネントの最良の選択を保証します。システムの熱流体方程式に基づくこのモデルは、各コンポーネントの特性を考慮し、システムの要求を検証することに役立ちます。
モデルベース制御設計アプローチは、システムを階層的に分解することから始まります。このモジュール式で効率的なアプローチは、さまざまな種類の燃料電池システムや標準的な熱機関の熱管理などの従来のシステムにも容易に適用できます。
診断
診断システムの目標は燃料電池スタックの劣化を回避し、燃料電池の寿命を延ばすことです。私たちはシンプルで効率的な、診断に適したモデルを提案します。これは以下の3つの主要なモニタリングモジュールを含みます。
- セル電圧モニタリング
- 安全かつ適切な運転のための極めて重要なパラメータ(膜温度、空気流量、理論混合比、スタック注入口での水素および空気の圧力、圧力差など)
- アクチュエータとセンサの診断
故障の検知と識別の手順は、燃料電池の少数のモデルに基づいています。残差(観測値と予測値の差)が計算され、故障発生やタイプ位置の決定に使用されます。
水素漏洩の検出
燃料電池システムに共通の安全性の問題は水素の漏洩であり、極めて危険な障害を引き起こす可能性があります。
SHERPA Engineering は、水素センサ以外の燃料電池システムにおける漏洩検出手法を開発しました。この手法では、水素貯蔵タンク、一次遮断バルブおよび二次遮断バルブを供給ラインに組み込んでいます。
妥当性検証
Bench validation
以下のプロセスにより、妥当性検証を実施します。
- Simulink®およびdSPACEシステムによる高速プロトタイピング
- 階層分解(部分的なベンチを利用して、燃料電池システム全体の最終検証前にサブシステムを検証)
- モデルベース設計(モデル上で同じテストを実行することで、ラボでも実車でもその性能を予測することが可能)
- HIL準拠(SOLIZEのモデルは固定ステップで開発され、リアルタイムデバイスに準拠)
SHERPA Engineering社 は、モデリング、シミュレーション、制御設計をコアビジネスにしているエンジニアリング企業です。1997年に創立、約100名のエンジニアが在籍しています。フランスの2大自動車メーカーをはじめ、多数の顧客とのプロジェクト実績があります。
- ※Simulinkは、MathWorks社の登録商標です。
- ※その他記載されている製品名は、各社の登録商標または商標です。
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