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Automotive SPICEをベースとした、
シャシー制御システムの検証プロセス変革
自動車OEM
日産自動車株式会社
イノベーションをドライブし続けるために、開発基盤の強靭化を図る
日産自動車株式会社は、「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける。」をコーポレートパーパスとして掲げ、創業以来培ってきた技術と、「他のやらぬことを、やる」という精神のもと、人々の移動の可能性や社会の可能性を広げるために、日々挑戦を続けています。
日産自動車のAD/ADAS&シャシー制御開発部では、クルマ全体としてドライバーが意図したとおりの走行を実現するために、ブレーキやパワートレイン等を統合的に制御するシステムの設計および検証業務を担っています。昨今これらのシステムには、よりきめ細かな制御だけではなく、たとえばドライバーの好みに応じた設定変更などのパーソナライゼーションも求められ、多機能化、複雑化の一途をたどっています。このようなシステムの開発にあたり、これまでは設計と検証が一丸となって品質を担保してきましたが、これから先は、より高い次元での品質確保と効率向上を実現する基盤の確立が急務となっていました。
ベテランの経験とノウハウを若手技術者に継承し、将来的な競争力の強化を目指す
従来、日産自動車のシャシー制御システム開発の現場では、制御ロジックの設計者が検証内容を策定し、検証者が各検証環境に合わせた手順の作成および実施を行っている状況でした。その結果、第三者視点で検証内容が策定できないことに加え、システム全体で行うべき検証が、ソフトウェアのロジックに着目した検証に偏る傾向がありました。このため、ベテラン技術者が過去の経験やノウハウをもとに、第三者視点やシステムレベルでの検証項目を追加することで最終的な品質を確保してきましたが、ベテラン技術者の工数が限られる中で多機能化したシステムの品質を確保し続けるのは現実的に困難な状況が見えてきており、抜本的な変革の必要性が高まっていました。
このような背景から、若手技術者でもシステム検証を実施できるようにし、システムの品質を確保し続けること、さらには、若手技術者に業務を引き継ぐことで生まれるベテラン技術者の工数を新たなモビリティ開発に充てることで、将来的な競争力の強化を目指した変革活動がスタートしました。
Automotive SPICEをベースとした検証業務標準化の取り組み
SOLIZEは、Automotive SPICE(以下A-SPICE)をベースに、車載システム開発で求められる検証業務の階層を定義することから始めました。たとえば、A-SPICEの「SYS.5 システム適格性確認テスト」と「SYS.4 システム統合および統合テスト」のそれぞれにおいて、入力および測定の対象となる要素を洗い出し、業務の階層間で重複することがないよう割り当てを行いました(SWE領域についても同様)。
続いて、前述の定義に当てはめ、従来の検証項目を分類・分析したところ、ベテラン技術者が経験とノウハウをもとに追加した検証項目は、一定の網羅率を満たすように検証の条件を設定するためのものであることが明らかになりました。この検証条件の設定手法を業務手順として明文化することで、若手技術者でも同様の検証設計を行うための基盤を確立することができました。
また、手順の明文化と並行して、インプットとなる設計仕様書の再構築に取り組みました。従来の設計仕様書は、おもに制御ロジックが書かれていましたが、それをクルマ全体の振る舞いからシステムとしての機能、そのロジックへと段階的に記述した仕様書に作り替えることにより、システム検証工程で活用できるようになっただけではなく、若手技術者がクルマ全体の振る舞いやシステムの全容を理解できるようにもなりました。
このように、設計と検証の活動を一体的に進めることにより、個人の経験やノウハウに依存しないシステム開発の実現に目処が立ちました。
設計と検証がともに切り拓く開発スタイルの定着とその先へ
本活動では、設計仕様からシステムの振る舞いを読み解く手順の構築や、検証設計から実施までのプロセス構築、さらにはそれぞれの工程で作成される成果物を整備してきました。今回構築したプロセスにより、業務全体の流れや各工程に必要な情報の粒度が明確な状態で開発を進められることで、設計と検証それぞれの役割の明確化だけではなく、相互の検討品質向上にもつながり、より一体的にシステム開発を推進できる業務スタイルへと進化しています。そして、日産自動車のAD/ADAS&シャシー制御開発部が持つ複数のシステムに対し横断的な活動を推進したことにより部署全体の業務整流化につながっていることや、作業手順が明文化されたことで若手技術者の判断が入る部分が明確になりポイントを絞ったレビューが可能になるなどの副次的な効果も進化を後押ししています。
本成果を受け日産自動車のAD/ADAS&シャシー制御開発部では、今回構築したプロセスの他部署への展開も検討しており、継続的な変革とその効果の刈り取りを推進していきます。
電子技術・システム技術開発本部
AD/ADAS&シャシー制御開発部
システム開発グループ
主管
久保川 範規 様
「SOLIZE様には内製ソフトウェア開発の検証業務の改善に協力をいただきました。特にシステム検証業務では設計者の思いを検証担当者に正確に伝えることができておらず、SOLIZE様には人の技量による差がつかない検証プロセスを作ってほしいと、このプロジェクトの初めにお願いをしました。その中で、検証業務のみならず、インプットである設計仕様書の改善を含めたプロセス改善をしていただき非常に感謝しております。また、プロセスの実運用まで確認していただき、非常にありがたく思っております。」
電子技術・システム技術開発本部
AD/ADAS&シャシー制御開発部
システム開発グループ
主担
鈴木 達也 様
「システム検証プロセスを標準化することにより、弊社が内製開発する複数のシャシー制御システムにおいて、人に依らない一定品質のテスト設計および実施が可能な状態を確立することを活動全体の目標とし、SOLIZE様が活動を推進し、システム検証プロセス定義書をまとめていただきました。活動の中では、SOLIZE様が持っている知見を提案していただき、議論し、有意義な時間を過ごすことができました。今回が新たなスタートして、まとめていただいた定義書をバイブルに検証業務を進めていきます。本当にありがとうございました。」
※役職は本活動推進時のものです
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