SOLIZE株式会社

3Dプリント最終製品製作

大量生産・大量消費のものづくりからの脱却。指先一つで操作するミュージックリモコンの筐体製作に協力

コンシューマー
PEBLWEAR 

大量生産・大量消費のものづくりからの脱却。指先一つで操作するミュージックリモコンの筐体製作に協力 - PEBLWEARのイメージ

SOLIZEは、「PEBLWEAR」の筐体製作に協力しました。

PEBLWEARについて

いまこの瞬間に、ベストな曲を、ベストな音量で。
心地いい瞬間のための、ミュージックリモコン

PEBLWEARは現代の音楽体験に残る「もどかしさ」に着目し、いつでも手を移すことができ、指先の動きに絶妙にリンクするサウンドコントロールの実現を目指したミュージックリモコンです。

スマートフォンのタッチスクリーンと同じ静電容量式タッチセンサーテクノロジーを、小石サイズの曲面に組み込み、指先や手のひらに伝わる形状触感のあるタッチ操作を実現。さらに形状触感のあるサイズ感、厚み、曲面や材料の質感を採用し、触感をアシストするサウンドフィードバックを実装することで、今までにない直感的な操作感を実現しています。

本製品は2022年度グッドデザイン賞受賞。
2022年10月7日から、商品ホームページより購入を受け付け中です。

PEBLWEAR | 指先1つで自由に音楽をコントロール。

インタビュー: 地球に優しいものづくり、最終製品製作に3Dプリンターを活用

PEBLWEAR クリエイター
赤塚 雄平氏

国内電機メーカーにてデジタル家電の商品設計・開発、商品戦略・企画を担当。タッチインターフェースに関連した製品開発と音響関連製品に関わる中で、本プロジェクトについての着想を得て、2018年にPEBLWEARの商品化を目指し活動を開始。「大切な瞬間の心地よさを研ぎ澄ますミニマルなプロダクトにより、アクティブに生きる人々のチャレンジとクリエイティビティを加速する」ことをミッションに、アクティブシーンにおける新たな体験を、地球にやさしいものづくりを通して届けている。

PEBLWEAR様は「地球に優しいものづくり」を掲げられてます。その思いや、工夫されていることをお聞かせください。

大手電機メーカーで、商品設計・開発、商品戦略・企画に携わってきました。大手なので、大量生産のスタイルでものづくりを行っており、当然事業としても環境負荷低減のためにさまざまな工夫を加えているのですが、さまざまな製品のライフサイクルに関わっていく中で、環境に影響を与えている要素が未だ多くあるのではないかと感じていました。私はアウトドアが好きなので、自然が豊かな長野県に移住し、自然に囲まれた生活を始めたことから、消費者としても、消費の仕方や廃棄の仕方を気にするようになりました。

現在は、ニーズに対してオンデマンドにものづくりを進めたいという思いがあり、かつての大量生産の大きな製造プロセスではなく、必要なものを必要な量だけ作る、環境負荷の少ないものづくりの方法を探し始めています。

必要な機能と製造規模に合った製造方法を可能な限り選択していくことが、持続可能なものづくりの実現につながると考えています。

今回SOLIZE様に依頼したケースの部品など外注しなければいけない部分も可能な限りこのような考え方のもとで選択しています。さらに、PEBLWEARはソーラーエネルギーをフル活用した小さな作業スペースで、組み立てから梱包発送までの対応を始めました。

製造方法として3Dプリンターを選択された理由をお聞かせください。

3Dプリンターは持続可能なものづくりの観点で、今回のような小さなものづくりを支える環境負荷の少ない製造方法の候補になると感じていましたが、当時メーカーに勤めていた頃に触れたものは強度が弱く、独特のずっしりした感触で、縞模様のイメージがあったため、量産には適さないと考えていました。

ところが量産に使える3Dプリンター「HP Jet Fusion」を知り、HP Jet Fusionで試作を重ねるうちに、十分な外観品質、精度、強度があることがわかってきました。また、HP Jet Fusionによる造形物の独特な風合いも市場にあるプロダクトとは一線を画すような要素になると考え、採用に踏み切ったのです。

今回、HP Jet Fusionを採用したことにより、ケースに求められる「触り心地」と「扱いやすさ」を見事に実現しました。タッチ操作をするので、触り心地がざらざらしていると指の滑りが悪く操作性に影響が出ますがそれをクリアしました。また、3Dプリンターで製作することで割り線がなく、ねじもない、一つの塊としてできあがったので、デザインコンセプトとして考えていた、小石のような握り心地や愛嬌、握った際の信頼感を出すことができ、今までの製品とは異なる魅力を創出できたと考えています。

今回、SOLIZEにお問い合わせいただい経緯を教えてください。

いくつかのメーカーでHP Jet Fusionによる試作をしましたが、量産対応を考えた時に、量産に耐えうる外観品質があるか、また、量産時の価格感がわかりませんでした。HP社のWebサイトからHPデジタルマニュファクチャリングネットワーク認定パートナーを確認し、国内パートナーのSOLIZE様を見つけて問い合わせました。

SOLIZEの対応はいかがでしたか。

対応がスピーディで信頼感がありました。今回は時間の関係で、SOLIZE様にはいきなり量産品製作をお願いしましたが、品質の高さに非常に驚き、お願いしてよかったと感じました。

最終製品の3Dプリント品を購入された方に満足いただけるか不安もあり、特に外観品質が不安材料でしたが、他社で製作したHP Jet Fusionによる試作品と比べて、外観品質はSOLIZE様が群を抜いて良かったです。 結果として、お客さまからは「思っていた以上によい」「質感的にもよい」と好評をいただいています。

今後の3Dプリンター活用についてお聞かせください。

事業性や商品コンセプトと合致する限りは、次の製品も3Dプリンターでの製作を考えています。何より、今「地球に優しいものづくり」は製品開発の一つの重要な要素と捉えており、「地球に優しいものづくり」にはその製造に関わるプラスチックの使用・廃棄量を最小限にできる3Dプリンターが欠かせないと考えています。そのため、今回製作したケースは3Dプリンターを活用したものということを前面に出していきたいと考えています。

SOLIZEでは、外観品質はもちろん、製品の物性を含めて安定した品質で生産ができるように3Dプリンターのマシンコントロール技術を日々蓄積しています。

SOLIZEは「『本質的に美しいものづくり』を実現する 」という使命を掲げています。大量生産、大量消費ではなく、人と自然に寄り添ったものづくりに私たちの技術を用いて、環境配慮・循環型社会に向けた取り組みを支援・推進してまいります。そして、生産と消費に関わる人たちが、社会や自然環境の一員として幸福を感じられるシステムの実現に貢献します。

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