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[No.22] Ni基超合金造形品のスキャンストラテジーと金属組織の関係

2018.12.03

3Dプリント 金属造形

No.21にてAlSi10Mgのスキャンストラテジーと金属組織の関係性を紹介しましたが、今回は同様の手法によるNi基超合金に関する研究を紹介します。

H.Y.Wan[1]らがInconel 718に適用したスキャンストラテジーをFig.1に示します。
毎層同一スキャン方向の(a)をX試料、積層ごとに90°スキャン方向が回転する(b)をXY試料と呼びます。

Ni基超合金造形品のスキャンストラテジーと金属組織の関係 Fig.1 2種類のスキャンストラテジー

Ni基超合金造形品のスキャンストラテジーと金属組織の関係 Fig.2各試料の極点図と逆極点図
[(a)(b):X試料、(c)(d):XY試料]

上記2つのストラテジーによって造形された試料の極点図および逆極点図をFig.2に示します。
X試料ではスキャン方向(x)と積層方向(z)に沿った<001>方向の弱い集合組織が確認されます。
一方でXY試料ではスキャン方向に沿った<001>方向の立方体集合組織が確認され、そのピーク強度はX試料に比べておよそ3倍高い値が検出されています。
スキャン方向が90°回転するストラテジーで、高いピーク強度が検出される結果はTaの造形においてもみられます。[2]

しかし、これらの傾向はNo.21[1]のAlSi10Mgの結果とは逆になっています。
それぞれの研究の結果は異なっていますが、粉末材料、セッティングパラメータ、装置など影響因子は複数あり、個々の考察からその相違の整合性を読み取るには材料が足らず、横断的な研究が必要とされています。

参考文献

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