SOLIZE株式会社

COLUMN技術コラム

[No.18] 銅の造形

2018.10.01

3Dプリント 金属造形

パウダーベッド方式の金属3Dプリントでは各種材料が使われていますが、今後開発が進んでいくと思われる材料の一つに銅があります。
銅は熱伝導率が約400W/m・Kで、アルミの約2倍、ステンレスの約20倍と大きく、放熱用途などに使われています。

しかし、3Dプリントするのが難しい材料でもあります。
金属3Dプリントができるようになれば、銅は放熱フィンや熱交換器など複雑な部品の造形に向いている材料と考えられており、
研究が進められています。
電子ビームを使うタイプの3Dプリントでは高密度のものが作れますが工法の制約から微細なものを作るのが難しいといわれています。

一方、レーザーを使うタイプの3Dプリントでは、密度を上げにくいという課題があります。
銅を3Dプリントする際に、高反射率と高熱伝導率の二つが課題になってきます。
反射率が高いことで、粉末がレーザーのエネルギーを吸収しにくく、温度が上がりにくくなります。
また、粉末の温度が上がって融点を超えても、熱伝導率が高いために、すぐに冷却されて融点以下になり凝固してしまいます。
そのため、融点を超えて流動している時間が非常に短く、高密度にすることが困難です。
熱伝導率を下げることは優れた特性を失うことになるので、いかに高反射率の粉末にエネルギーを吸収させるかという観点で
研究がなされています。
より吸収しやすい波長のレーザーを使った取り組みや [1]、高出力レーザーを使用して造形品の相対密度を
97.8%まで向上させることができたとの報告もなされており、今後の進展が見込まれます(Fig.1)[2]。

銅の造形 Fig.1 Cross-section of a cubic specimen representative of the an “acceptable” processing conditions.
Process parameters for the specific sample correspond to P=600 W, v scan =1000 ㎜/s achieving a relative density of 97.8±0.4%

参考文献

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