COLUMN技術コラム
[No.2] 造形に使用する粉末のリサイクル
2018.02.01
3Dプリント 金属造形
金属3Dプリントでは、金属粉末をレーザーで溶融させ形状を作ります。
その際に、形状にならなかった粉はリサイクルします。
しかし、造形後の粉の中には、造形プロセス中にレーザーで溶融再凝固したり、加熱されて飛散したりして劣化した粉が混ざっています。
このような粉を除去することにより、造形品質が安定していきます。
材料の劣化は、おもに粒子の大きさと形状の変化と、表面状態の変化です。
ヴァージン材の粒子形状は、比較的球形度の高い形をしていますが、造形を繰り返すにつれ
複数の粒子がくっついて球形度が低下したり、大きくなったりしていきます。
このような粒子によって、粉末の流動性が低下して材料供給がうまくできなくなったり、
粗大化した粒子自体が造形物と接触して変形を引き起こしたりして、造形品質を低下させることがあります。
また、粒子表面が酸化することで、金属粉末が融点の高い殻に包まれたような状態になり、
レーザー照射時に完全に溶融せず、造形品質を低下させることもあります。
こういった不具合を防止するために、材料のリサイクル時に、篩で除去する必要があります。
篩のメッシュサイズは、大きすぎると粗大化した粒子を除去できず、小さすぎると正常な材料も
除去されてしまうため、材料歩留まりが低下したり、リサイクル時間が増加したりします。
SOLIZEでは、造形に使用する材料は、品質とコストの双方を両立できるよう、
適切なリサイクルを行っています。