近年の自動車を取り巻く環境は、新NEV規制、ZEV法などによる環境保護を目的とした排ガス削減に向けた施策が次々と制定されており、ガソリン車から電気自動車へのシフトは急務となっています。昨今の電気自動車開発では、航続距離や充電時間などの課題に対してエネルギーマネジメント技術の重要性がさらに高まっており、エネルギー効率の向上だけでなく、いかに無駄なくエネルギーを使い切れるかが重要です。
熱マネジメントにおいては、車両で発生する熱のコントロールが必須要件で、車両全体で無駄なく熱エネルギーを活用することが求められています。
SOLIZEは、次世代車両開発で重要となる
熱マネジメントに起因する課題解決や目標達成に向けた開発を加速させます。
1.高品質モデルの提供
- Simulinkベースモデルを活用した熱マネジメントシミュレーションを実現 -
電気自動車の熱マネジメントは航続距離と密接に関係するため、車両全体における熱マネジメント検討に、1Dシミュレーションは欠かせません。
SOLIZEが欧州のパートナー企業と協力して提供している電気自動車の熱マネジメントシミュレーションモデルは、特定車両の計測結果からリバースで再現した高精度1Dシミュレーションモデルです。
特に、現在提供中の「Tesla Model 3」ベンチマークモデルは、新しい熱マネジメントシステムであるオクトバルブを1Dシミュレーションモデルで再現しており、モードに応じた冷却水流路の切り替えが可能です。
その他にも、1Dシミュレーションモデルは以下の目的などで有効です。
- 他車種をベンチマークとした性能比較や設計の考え方を参考とする開発
- 車両に自部品を組み込んだ場合の性能比較
2.CFD解析で熱伝導を可視化し、効率的な設計を実現
- 部品単位からアセンブリ単位まで、熱課題の可視化・効率化の実現 -
電動化で注目されるバッテリー、インバータ、モータ、放熱デバイスなどの熱伝導経路とその温度分布は、CFD解析で可視化しながら冷却性能の効率化も検討することが可能です。CFD解析による熱課題の可視化は、要求値を達成する熱マネジメント方法をさまざまな方向から検討できると同時に、材料の耐熱限界値等を考慮するため、信頼性を向上させます。
SOLIZEはお客さまの課題に応じて、部品単位だけなくさまざまなアセンブリ単位でCFD解析による可視化を行い、熱伝達経路や熱課題部位を予測、熱問題の成立性を検討し、課題解決のため改善案を提案します。
また、熱マネジメントシステムを評価する1Dシミュレーションモデルの構築やそのモデルに合わせた入出力応答マップも提供します。
SOLIZEは、熱課題に限らず基本性能、軽量化、部品配置といった課題にも解析と設計技術を提供しており、お客さまの次世代開発に向けた課題解決および新しい価値創出を共創します。
3.熱性能向上を可能にするAdditive Manufacturingの活用提案
- 金属3Dプリント事例紹介 -
熱交換器のように多数の部品で複雑に構成された形状には、3Dプリンティングが適しています。SOLIZEは、いち早く3Dプリンターを製品に活用することに挑戦し、これまで培ってきた造形ノウハウで、従来工法では困難な形状も実現します。お客さまの多くの要望に対応するため、国内最大級となる5台の金属3Dプリンターと複数の金属材料を用意した、製造体制を備えています。
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0.2㎜の薄肉、微細形状の造形技術
微細形状を、従来の半分となる0.1~0.2mmで造形可能です。薄板以外にも、アーチ、管、連なったねじれ構造、逆テーパーなど、さまざまな形状に適用できます。
また、空気圧0.6MPaでの水没試験を行っており、エアーリークなく、試験に合格しています。気密性のある薄壁は、熱交換器を軽量化でき、流路形状の設計自由度を高めます。
近接した複数の薄い壁を持ち、かつ壁の形状自体で性能が変化する、たとえばセパレータのような部品の形状再現が可能です。
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銅合金による微細形状の造形技術
熱伝導度・電気伝導度に優れる銅合金の造形条件の開発を行っています。これまで金属3Dプリンターでは困難であった銅合金による薄肉形状が、最小0.3mm、相対密度99%で造形できます(2022年1月時点)。熱伝導効率の高い銅合金が使えることで、よりコンパクトで高効率なヒートシンクなどの設計が可能です。
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SOLIZEはデジタルエンジニアリングのパイオニアとして、
CADエンジニアリング、CAEエンジニアリング、MBDエンジニアリング、3Dプリンティングエンジニアリングの各サービスを組み合わせ、
お客さまの熱マネジメントに起因する次世代開発に向けた課題解決および新しい価値創出を共創します。
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